私が初めて117クーペを知ったのは、小学生の頃、両親が買い与えてくれた「こども百科事典」という子供用の総合百科事典ででした。
全7巻のその事典の中の記事に、「じどうしゃ」という項目があって、当時の代表的な国産車の写真が見開きで2ページにわたって掲載されていました。
その頃自分の気に入っていたクルマを、今でもはっきりと覚えています。それは、「三菱ギャラン」と、ページの右下隅に載っていた「いすゞ117クーペ」でした。
特に117のしなやかなスタイリングは、他車にはない独特の魅力を子供心にも感じていました。昭和45、6年頃だったと思います。
この記憶が多分に影響しているのだと思いますが、私の中では、社会人になって最初に乗るクルマは既に決まっていたのでした。
昭和60年の暮れ、第1号の53年式XTを45万円で手に入れました。当時は既に生産中止になっており、細かなグレードの存在など知る由もありませんでした。
第1号(53年式XT)
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実は購入時、リアエンブレムを信用して「XC」だと言うことで購入しました。しかし、中古車ディーラーの人になんとか見つけてもらったXCのオーナーズマニュアルを見てもなにか違う。
このクルマがECGIのXCではなく、シングルキャブ仕様のXTだと気づいたのは、しばし時間が経ってからでした。「無知の成せるワザ」、というものでしょうか。結局騙されたのか、グレードの違いも分からないくらいクルマ屋の人も無知だったのか、事実関係は闇の中です。
第1号は、翌年の9月、車検切れを待っていたかの如く、北海道の余市町辺りをドライブ中に、フューエルエレメントが詰まって動かなくなり、そのままお別れしました。(別に放って帰ってきたのではありません。たまたま隣街だった小樽の実家まで、知り合いに牽引してもらい、電車で札幌の自分の家まで戻ったのでした)
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