R2diary... Update:2008.06.07


マフラーの音量測定


2008年6月7日、出来上がったワンオフマフラーの音量測定を行いました。
条件は、近接排気騒音の規定に準拠しました。

ただし、測定機器は騒音測定機能付のマルチテスターを使用していますので、あくまでも 「つかみ」レベルの精度です。


(1)近接排気騒音値は、基本的にクリアしていなければ車検を通すことは出来ない事になっています。

ただ、爆音系の砲弾型などでもインナーサイレンサーを使用して車検通過ができてしまう訳ですから、どちらかと言えば神経質になるのは「ご近所迷惑」に対してでしょうか。

さて、近接排気騒音の測定条件ですが、下のようにテールパイプから斜め45度後方に50cm離れた位置に測定機器を置きます。
高さは基本的にテールパイプと同じ高さとしますが、テールパイプが地面から20cm以下の場合は20cmとする必要があります。


この状態で最高出力発生回転数の75%の回転数までアクセルを踏み、数秒維持した後、一気にアクセルペダルを離した時の最大音量を計測します。

我が家のR2 Rの場合、最高出力は54ps/6,400rpmですから、6,400×0.75=4,800rpmが計測する回転域です。

乗員数10名以下でフロントエンジン搭載の乗用車の場合、この音量がH11年規制値をクリアする必要があり、その許容値は96dBです。



(2)まずはこの条件でアイドリング中の音量を計測してみました。
エンジンが充分に暖まった状態では、R2のアイドリング回転数は500rpm程です。

この状態で計測した結果は81dBでした。
これを大きいと捉えるか小さいと捉えるかは人それぞれかと思いますが、自分は全く気にならないレベルの音量と思います。



(3)次に近接排気騒音を測定しました。
が、ここで問題発覚。

R2....というかi-CVT車だけの話(※)だと思うのですが、どうもこのクルマ、過度な空吹かしを抑制するため、4,000rpmを超えると自動的にリミッターが作動してこれ以上回転数 を上げることができなくなる仕様となっているようです。
(※:最近のクルマは皆そうなっているみたいですね by浦島太郎)

しょうがないので取り敢えず4,000rpmで近接排気騒音を測定してみました。
ひとりではできないので、嫁に協力してもらいました。

そして更に計測機器についても問題が....。
僕の持っているMASTECHのデジタルマルチテスターの騒音測定機能は、コンマ数秒程度の測定値更新間隔によるタイムラグがあるため、瞬間的なレベルを計測する用途にはあまり向きません。

結果、何回か計測した値にはバラツキがあり、93dB〜96dBまで幅のあるデータしか取れませんでした。
従って、平均値を取れば94.5dB、最大値では96dBという事になります。

思っていたよりも大きな値です。
これですと、4,800rpmでは96dBを超えてしまうかも知れません。

でも、クルマの仕様上、停車状態で最高出力発生回転数を再現して正規の近接排気騒音を測定するとすれば、リフトやシャシーダイナモにでも載せなければ計測不可能ですから、どうしようもないです。(^^;
(もしくは4個のウマで車体を浮かせて車輪を空転させる....恐っ)



(4)ここで一つ思い付きました。

4,000rpmまでの音量データを測定して、これをグラフ化し、(3)の測定値を補正して4,800rpmでの近接排気騒音値を推定できるのではないか?....と。

そこで1,000rpmから1,000刻みで4,000rpmまでのデータを取り、グラフ化しました。



しかし自分の予想と大きく違う傾向が見られました。
何度測り直しても、2,000〜3,000rpmの間をピークにサウンドレベルが下がる傾向が現れるのです。

想像ですが、恐らく測定機器が重低音に強く反応する傾向があるため、回転数が上がって行って、より乾いた音質に変化していく段階において、3,000rpmを超えてからは逆に 計測値としては下がっていくという現象が生じているのではないかと考えました。

つまり、オーディオのレベルメータで、ドラムのシンバルやハイハットのような高周波数帯域の楽器よりも、バスドラの様な低周波数帯域の楽器の方が明らかに強くメータに反映されるのに似ています。
性格的にはVUレベルメータよりもピークレベルメータに近いのでしょうか。

勿論、アクセルを離した瞬間は「ボウンッ」という低音が響き、5dBほどレベルが上昇しますから、上述の点を鑑みても近接排気騒音がこの音を対象としている点は実に理にかなっています。

ただ、これよりも高回転域まで踏み込めば間違いなく絶対的音量が増えていきますから、どこかで必ず、4,000rpmまでで記録されたピーク値を上回って再び右肩上がりの曲線に転じるのだと思います。

それにしても、自分は単純に右肩上がりの曲線を描くと想像していたので、完全に裏切られた格好です。

結局、上のグラフにあるように、最高出力発生回転域における近接排気騒音値は規定値ギリギリのレベルにあると推定することができます。

車検を通らないというのは考えにくいですが、自分が実際に耳で聞いたイメージから当初予想していた音量よりは、数値的には大きめと言う結果となりました。(^^;

実際、嫁が117の時のように「うるさい」と言わないので、特にアイドリング時にご近所迷惑となるレベルには達していないと思われます。

音質自体は、自分としては非常に気に入っています。
....いや、嫁のクルマなんですが....。(^^;


※因みに117クーペのような平成元年規制以前に登録されたクルマの場合は、近接排気騒音規制の適用範囲外となり、この場合は一律70dBで規制された「排気騒音規制」が適用されます。
「排気騒音規制」は、最高出力発生回転数の60%の回転数の時、テールパイプから後方に20mの位置で高さ1.2mが測定位置となります。

え?何で関係ないことまで書くのかって?.....そりゃあ自分の備忘録だからですよ。(笑)



(5)アイドリング時の音を録音しました。
下の写真をクリックするとWMVファイルを再生することができます。
 idle01.wmv (1.9MB,320x240, 28sec)

映像はテールパイプを撮影しているだけですのであまり意味はありません。



(6)運転席から窓を開けてアイドリング状態から3,000rpmまでアクセルを踏み、しばらく踏み続けた後にペダルを離す様子を録音しています。
下の写真をクリックするとWMVファイルを再生することができます。
 idle02.wmv (1.1MB,320x240,28sec)

映像はタコメータを撮影しているだけですのであまり意味はありません。



今回の教訓:

最大出力発生回転数でのマフラー音量が、そのマフラーの最大音量とは限らない


【了】


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