Update:Jun.17/2001

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昭和51年式XEのインパネ
装備・室内■
 
私が117クーペに魅力を感じるものの一つとして、インストゥルメント・パネルが挙げられます。  
ローズウッド調のパネル内に収まる6連(時計を入れると7連)メーターは、私にとってこのクルマの最も「クルマ」を感じさせる部分です。  

昭和46年式117クーペのインパネ(拡大)
昭和46年式117クーペのインパネ


廉価版モデル昭和47年式1800Nのメーターパネルはグレー塗装
発売直後の117クーペ(ハンドメイド)のメーターパネルには、台湾楠が採用されました。この材料については、当時のいすゞのデザインスタッフが直接選定に当たったといわれ、自然木を切り出して約1mm厚にスライスカットしたものを貼り込んでいるため、同じ木目模様のメーターパネルが2台存在することはあり得ませんでした。
更に、光沢感を持たせるため、木材の表面には樹脂皮膜が施されました。ただ、この皮膜は経年劣化によって剥離してくることがあり、一度剥がれてしまうと、修復や木材自体のコンディションの維持が容易でないという難点を持ちます。
この事が原因のひとつとなっていたかどうかは定かではありませんが、間違いなく言えそうなのはコスト面の問題で、昭和48年からの量産モデルの内、ウッドパネルが採用された上級グレードのXEなどでは、原木が台湾楠からブラジリアンローズウッドに変更されました。量産型では樹脂皮膜は廃止されましたが、こちらは年数が経つにつれて、木材自体が剥離してくることがあるため、「プリントか?」と誤解を受ける事もありました。


昭和54年式XEのインパネ

しかしこれは、実際には、前述した様にスライスカットされた自然木が貼り込まれているからであり、この事からもお分かりの様に、量産モデルでも木目模様は1台1台異なっているのでした。
コストダウンによって多くの犠牲を払わざるを得なかった量産化後も、117クーペオーナーの「自分だけのスペシャリティーカー」という意識をくすぐる存在でありたいという、いすゞのこのクルマに対するこだわりの表れではないでしょうか。
量産化でコストダウンが図られたのち、木目メーターパネル以外にも昭和52年以前の量産丸目ヘッドライトのモデルではXC、XTなどでメタリックパターンやブラックのパネルが採用されました。53年以降の角目モデルになるとXT等の普及モデルにはシルバーのヘアライン加工付きパネルが採用され、スポーティグレードのXGにも、精悍なイメージを優先し、敢えてブラックパネルが使用されました。

昭和51年3月以前

昭和51年4月以降
ちなみに、昭和51年3月までの生産モデルは、スピードメーターの表示が220km/hまででした。昭和51年4月以降のものは、昭和51年排ガス規制に適合し、メーター表示は180km/hになりました。 

トランクリッドに「5SPEED」のエンブレム
同時にこのモデルからマニュアルトランスミッションが5速となり、長距離燃費がリッターあたり1kmほど改善されました。
52年12月の角目ライトへのモデルチェンジを境に、インパネまわりもかなり形を変えて、それまでの丸型7連メーターから、スピードとタコの二つ以外は角型に変更されました。同時に最上級グレードのXEは照度自動調整センサー付きのデジタル時計に変わりました。これらは、個人的には残念でなりませんが、実は割合気に入っています。(時計はいまだに殆ど狂うことが無いからです)  
また、このモデルから、上級グレード車にパワーステアリングが標準装備され、冷房はクーラーからエアコンに切り替えられました。  
また、スポーティーモデルのXGには、強化タイプのショックアブソーバーが装着されました。  
53年11月のスターシリーズでは、当時はまだ珍しかった、電磁式集中ドアロック(但し施錠のみ)が装備されました。そしてこれもまだ珍しかったオートエアコンも追加になりました。(共にXEに標準装備)  
XE及びXGには、ポルシェタイプの噴射式ヘッドランプウォッシャーが標準装備となりました。タンクはウィンドウウォッシャータンクとは独立でしたが、あっという間に空になります。しかも、正直言って、寒冷地の雪融け時期などの、こびり付くような汚れにはあまり効果がありません。  
54年式2000XG
54年式XG

ヘッドランプウォッシャー

54年式XGの室内

55年(54年12月)のマイナーチェンジでは、ディーゼルモデルと特別仕様のGiugiaroが追加されただけで、当然外観は全く変わりませんが、細かい装備の追加が見られます。


giugiaroのメーターパネル。黒とタンの組合わせが絶妙

54年車と55年車で一番見分けやすいのは、内側ドアトリムの形状変更です。シートと同じ生地(XEはモケット)が張られ、引き上げ式のレバーは変わっていませんが、ノブの形状が、「直線」から「くの字」に屈曲した形に変更されています。(下の写真参照)


46年式117クーペの室内

量産48年式の室内(拡大)
量産48年式の室内
量産当初の内装はハンドメイドとほぼ同じ

51年式XEの室内 54年式XEの室内 55年式XD−Lの
室内はXEとほぼ同等

そして、気にしない人は気にしないが、気にする人にはとても気になる、フューエルリッドオープナーが付きました。  
また、XGには、機械式の4ピニオンLSD、減衰力可変ダンパー、リアワイパーが標準装備となり、SOHC版のスポーティモデルXC−Jには、スライド&チルト電動サンルーフが装備されました。そのほか、1800XTを除く全車にハロゲンヘッドランプが採用されました。

フューエルリッドオープナー XGに標準装備のLSD リアワイパー(XGのみ) 電動サンルーフ(XC−J)
運転席にはランバーサポート エンジンルームのインスペクションランプ サンシールド合わせガラス(昭和53年)   52年までアンテナはフロント埋め込み
 

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