Update:Aug.03/2003

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グラフの自己流分析


・ハンドメイドの総販売台数は約2500台、
量産丸目は約50000台、同じく角目は約33000台であった。

・年間販売台数が最も多かったのは、昭和50年の13278台。
月別でも同じく昭和50年、10月の1692台。
50年10月は、ツインキャブ車が消滅した月。51年排ガス規制によるパワーダウンを懸念して、駆け込みで在庫モデルに殺到した結果と思われる。

・逆に販売台数が最も少なかった月は、昭和48年1月の0台。
前年11月から48年2月までの間は、3月販売開始の量産モデルへの生産ライン移行期間のため、実質在庫車のみの販売であったと思われる。

・ハンドメイドは、月産50台と言われているが、これはあくまでも生産期間の平均値。
販売開始から最初の2年は、月産30台前後で推移する。
45年11月の1800、46年11月の1800Nと、モデルが追加される度に、販売台数は着実に伸びている。
特に廉価版の1800Nが発売されてからは台数は倍増し、ピークの47年6月では、月産131台に達した。
但し、1800と同じく昭和45年に追加された1600ECは、187万円と、あまりに高価だったため、販売台数増加に影響を及ぼすことは殆どなかった。

・量産モデル移行後、(価格以外の)ユーザー満足度の低下とは裏腹に、徹底したコストダウンが功を奏し、117クーペは着実に販売台数を伸ばしていった。
昭和50年に年間販売台数1万台を突破してからは、54年のスターシリーズまで、117クーペはコンスタントに1万台以上が生産・販売された。
しかし、昭和55年に販売台数が半減すると、その勢いは遂に止まることはなかった。
折しも国内の自動車業界はターボ時代の幕開け、巷には四角いクルマが氾濫し始めていた。



117クーペのグレード年表






117クーペの年代別グレード一覧表 
昭和43年12月〜 
ジュネーブモーターショーから2年、月産50台で市販化される 
117Coupe 直4DOHC,1584cc, Solex x2,120ps/6400rpm
昭和45年11月〜 
日本初の電子制御燃料噴射装置(ECGI)と1800ccモデルの追加 
117Coupe _
117Coupe EC 直4DOHC,1584cc, ECGI,130ps/6600rpm
117Coupe 1800 直4SOHC,1817cc, SU x2,115ps/5800rpm
昭和46年11月〜 
シングルキャブの廉価モデルを追加 
117Coupe _
117Coupe EC _
117Coupe 1800 _
117Coupe 1800N 直4SOHC,1817cc, 100ps/5400rpm
昭和48年3月〜 
大量生産開始。1800ccDOHC追加。1600ccは消滅。最もパワフルなモデル 
1800XE 直4DOHC,1817cc, ECGI,140ps/6400rpm
1800XG 直4DOHC,1817cc, SU x2,125ps/6400rpm
1800XC 直4SOHC,1817cc, SU x2,115ps/5800rpm
1800XT 直4SOHC,1817cc, 100ps/5400rpm
昭和50年10月〜 
SOHCにECGI採用。XC-J追加。ツインキャブ消滅。排ガス規制でパワーダウン 
1800XE 直4DOHC,1817cc, ECGI,130ps/6400rpm
1800XC 直4SOHC,1817cc, ECGI,115ps/5800rpm
1800XC-J 直4SOHC,1817cc, ECGI,115ps/5800rpm
1800XT 直4SOHC,1817cc, 105ps/5400rpm
昭和52年12月〜 
ヘッドライトが角目に。パワステ、エアコンなど装備の充実 
1800XE _
1800XG 直4DOHC,1817cc, ECGI,130ps/6400rpm
1800XC-J _
1800XC _
1800XT-L 直4SOHC,1817cc, 105ps/5400rpm
1800XT _
昭和53年11月〜 
2000ccにボアアップ。フルトラの採用、連動ドアロック、オートエアコンなど 
2000XE 直4DOHC,1949cc, ECGI,135ps/6200rpm
2000XG 直4DOHC,1949cc, ECGI,135ps/6200rpm
2000XC-J 直4SOHC,1949cc, ECGI,120ps/5800rpm
2000XC 直4SOHC,1949cc, ECGI,120ps/5800rpm
2000XT-L 直4SOHC,1949cc, 115ps/5600rpm
2000XT 直4SOHC,1949cc, 115ps/5600rpm
昭和54年12月〜 
特別仕様車giugiaroとディーゼルモデルの追加。その他細かい装備の追加 
2000XE _
2000XG _
giugiaro 直4SOHC,1949cc, ECGI,120ps/5800rpm
2000XC-J _
2000XC _
2000XT-L _
2000XT _
1800XT 直4SOHC,1817cc, 110ps/5600rpm
2200XD-L 直4ディーゼル,2238cc, 73ps/4300rpm
2200XD 直4ディーゼル,2238cc, 73ps/4300rpm
注:空欄は前モデルと同一仕様 

昭和48年からの量産モデルで使用され 
ていた、グレードネームについての解説 
XE: 1600DOHCの初代117クーペ(実際には、DOHCツインキャブ仕様を受け継いだのはXGの方)そして国産初の電子制御燃料噴射装置搭載車117クーペECの流れを引き継ぐ最上級グレード。 
機関系は常に最新・最高性能のものが搭載され、DOHC+ECGIが基本。装備もパワステ(53年から)・エアコン・パワーウインドウなど、殆ど全てが標準装備となっている。室内もベロア〜モケット張りの豪華なもの。
XG: 内装やパワステなどのラグジュアリー的な要素を犠牲にしたDOHC搭載モデル。後期には強化型ダンパーやノンスリ、アルミホイール、リアワイパーなど、XEでも装備されていないスポーティーマインドなものが唯一標準装備され、「DOHCが載ってるだけ」という印象を払拭。インテリアはブラック系主体で、シートや内張りは一部ファブリック張りの黒ビニールレザー。
XC: 昭和45年に登場の117クーペ1800の流れを汲む、SOHC+ECGI搭載の標準的モデル。 
内装はXGよりも上の部分モケット(後に全面ファブリック)張りで、カラーバリエーションも多い。しかし、パワーステアリングなどの贅沢品は用意されていない。 
中間グレードに位置するXCのインテリアの充実度は、今思えば決して悪くないのだが、一部からは「後期型になるにつれ、117の内装は悪くなった」と言う声も聞かれた。
XT: 昭和46年に登場した1800Nの系統であるSOHC+シングルキャブ仕様の廉価版普及モデル。特に量産型では、117全体がコストダウンの方向にあったため、削れるものは可能な限り削られた。とはいえ、助手席サンバイザーや間欠ワイパーまで付かないカローラDXクラスと一緒には出来ない。 
ウオッシャータイマーも、タコメーターも、水晶発振式時計(角目以降)も標準装備であった。やはりいすゞのフラッグシップカーであるという事に変わりはない。
XD: 55年の最終マイナーチェンジから追加された、いすゞのお家芸である2200ccのディーゼルエンジン搭載車。 
エンジン以外はXCがベースである。「ディーゼルクーペ」というカテゴリーは、後にも先にもこのクルマだけだったのではないだろうか。
XC−J: Jは「Joy」の頭文字である。XCから派生したSOHC版のスポーティー&ファッショナブルモデルで、カラードバンパーやアルミホイール、そして、ボンネットデカール(装飾)を標準で配するなど、若年層をターゲットに絞った異色のグレードであった。 
55年最終モデルでは、電動サンルーフが標準装備となるなど、XCとの完全差別化を図った。その他の装備は概ねXCに準じているが、インテリア性ではXCの一歩前を行く。
XT−L: 53年から追加になったモデル。Lは「Luxury」の頭文字である。その名の通り動力系はXTをベースとし、室内装備その他を大幅にハイグレード化したモデルである。 
勿論、昔で言う「三種の神器」はフル装備で、室内もXEと同等。つまり、SOHCシングルキャブのエンジンを積んだXEであると言える。
XD−L: XT−Lと同様、ディーゼルエンジン搭載車のXDをベースに装備をXE化したラグジュアリーモデル。 
生産期間が1年程しかないため、Giugiaroと同様に量産117の中でも更に稀少な部類に入る。
Giugiaro 55年の最終マイナーチェンジで追加された特別仕様車。G.ジウジアーロが手を加えた全面ファブリック張りのインテリアは、モケット張りのXEなどよりもかえってゴージャスな印象を受ける。 
基本的にXCをベースとしていたが、Giugiaroに限って、パワーステアリングがオプションで装着可能とされていた。
XE−L:
XC−L:
56年にラインナップされた特別限定車。
正確にはXE-Limitedと呼ばれ、一般モデル生産終了後の約半年間しか販売されていない超稀少車。
XEをベースとしているが、最大の特徴は本革製シートをはじめとした、その豪華なインテリアにある。
同様に、XCベースの限定車XC−Lもあった。
謎の多い限定車XC−L。パワステ付きでインテリアはXEと同等らしいが、ダッシュにはGiugiaro同様ステッチ入り。
写真及び情報は、元オーナーでPAnetメンバーの117おやじさんからご提供頂きました。このクルマは現在、部品として日本各地に散らばっています。(笑)
因みに本人は現在PA90のオーナーです。

※XE−Lを見たい方は辻さんのWebサイトへ

Blanc: 54年7月、限定300台で発売されたBlanc(ブラン)は、XCベースの限定車。
特別仕様車のGiugiaroとは異なり、XE−Lと同様にカタログモデルではない。
その名が示すとおりボディカラーはホワイトで、プレスラインには赤と青2本のストライプが配された。インテリアも白と青を基調としたものであった。
 
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