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「温水洗浄便座なんて使うつもり無い」という人はこのページから得られるものはないと思うのでスルーしてください(笑) また、本ページの記述は、後付けの温水洗浄便座に関するものです。便器を含んだ一体製品(ネオレスト、サティス、アラウーノ等)については触れておりません。 我が家の温水洗浄便座デビューは、新築時の2000年に2階トイレ(1階はガレージです)に設置したINAXのCW-1041という機種です。 それ以来、温水洗浄便座なしは考えられなくなりました。 そして、このCW-1041、2015年に貯湯タンクに亀裂が入って床に水(お湯)が漏れてくるようになり、買い換えを検討し始めました。 以下の記述は、2015年当時、機種選定のために作った比較資料と、騙し騙し使いながら買い換えに至った2017年の取付け作業の様子を備忘録としてまとめたものです。
条件となる機能として一番重要なのが「おしりの中まで洗える」なのです。 (硬い場合は便意促進と粉砕・潤滑作用、軟らかい場合は内外部洗浄、そしてペーパー節約) SNS等で自分が聞いた中では、どちらかというと少数派のようです。 ちなみに、我が家の構成員に"痔主"がいるわけではございません(^^; 健康上よろしくないと唱える方もいらっしゃいますが、取り敢えず我が家はこの20年、おしりに関してはほぼ健康です(笑) 3階トイレにINAX(LIXIL) CW-RT20をチョイスしたのは、コスト優先かつ既存便器とのカラーマッチングが理由ですが、2階のINAX(LIXIL) CW-K45Aはまさしく我が家、特に自分がこの「条件」をクリア出来る製品として、ほぼ一択で選んだ製品です。 下の表をご覧下さい。 最初の作成年が2015年当時の物なので情報がやや古いですが、重要なのは"ノズル角度"とそして何よりも"吐水量"です(画像クリックで拡大画像表示)。 ■ノズル角度 「おしりの中まで洗える」という条件をクリアすべく調べていて判明したのは、ノズルから出る温水の吐出角度が各社バラバラだということ。 TOTOが43度(ネット上調べ) INAXは70度(ネット上調べ) Panasonicが50度(メーカー問合せ) TOSHIBAが約40度(メーカー問合せ) 米国の医療用を日本で初めて一般向け温水洗浄便座として輸入販売(1964年)したのがTOTOであることは知られていると思います。1980年からの製品名はウォシュレット。 初代ウォシュレット(wikiより) また、日本で初めて自社で製品を開発して販売(1967年)したのがINAXであることも有名です。製品名はシャワートイレ。(詳細は不明ですが、INAXは貯湯式の製品はアイシン精機に製造委託している模様) 現在は、この2大巨頭にパナソニック(ビューティートワレ)と東芝(クリーンウォッシュ)を加えた4社が、一般家庭用の国内市場をほぼ独占しているといっても良いと思います。 TOTOはノズルの角度「43度」を導き出すために全社員に座ってもらってデータを取って決定したという話はご存じの方も多いと思います。 INAXは、より直接的におしりに当たる角度ということで当初から「70度」を採用しており、これは一貫して変わっていません。 後発のパナソニックの場合、恐らくこの2社の折衷案的な決め方をしているような気がします。 問い合わせた際は「水平面から下ろしていった角度が50度」と、質問した僕が理解できるような説明の仕方で、その対応が好印象でした。(写真はビューティートワレ) 東芝はサムスンからのOEM製品で、問い合わせた際も「約40度」という言い方しかしてくれませんでした。 これはあくまでも想像ですが、サムスンは自社でデータ取りなどして決定したのではなく、シェアNo.1のTOTOの「43度」をほぼそのまま採用したため「約」という表現に留めているのではないかなと考えています。(写真はSCS-S301) 東芝の温水洗浄便座は価格が安いということで売れているみたいです。 まあ、いずれにしても自分の条件に対してはノズル角度が最も大きいINAX(LIXIL)が筆頭になるわけです。 ■吐水量 そして、ノズル角度よりも重要なファクターが、1分間にノズルから吐出できる温水の量、つまり"吐水量"です。 上の表の中で0.90L/min以上を赤文字で表記しているのは、自分としてはこの値を下回っていると「おしりの中まで洗える」を達成する事はほぼ不可能と考えているからです。 これを限界値と判断した理由は、吐水量0.90L/minのTOTO SB TCF6021を使用してそう実感したからです。 このSB TCF6021は、真狩村勤務時代に、当時空き家となっていた小学校の恩師のご実家(留寿都村)を平日の常宿としてお借りしていた際、そこに備え付けられていたものです。 2003年発売の製品で、TOTOには既にここまで吐水量の大きな製品は存在していません。 自分の感覚では、2000年から自宅で使用していたINAX CW-1041(現在は販売終了)が吐水量的に満足できるものであり、ベンチマークとなっている事は間違いありません。 そして、CW-1041の吐水量(1.3L/min)をクリアできる現行機種は、同じくINAX(LIXIL)のCW-K45Aしかないということが判明しました。 K45は、ターボ洗浄モードを搭載しており、最大1.5L/minの吐水量を誇ります。 現状、日本一...というか温水洗浄便座のグローバルな普及度を考えると事実上世界一でしょう(笑)。 現在何故、吐水量が小さくなる傾向になっているかというと、セールスポイントにし易い「省エネ基準達成率」という言葉に各社踊らされているのかどうかは分かりませんが、総じて節電・節水性能に力を入れていることと、タンクに水を貯めて温めておく貯湯式に代わって、水道水をヒーターで直接加熱して瞬時に温水を吐出する瞬間式がトレンドになってきている(その方がトータルでの消費電力量は抑えられる)ことが理由のようです。 下のイラストはパナソニックの瞬間式のイメージ図。 つまり、水流を工夫して少ないお湯で従来と同等の洗浄力を得られるようになり、節水性能の向上に寄与している反面、瞬間的に温めてある程度の温度のお湯を吐出させる際、一度に温水にできる量には限界があるため、吐水量そのものを抑える必要があったという事みたいですね。 技術力の向上と技術的な限界が同じファクターで混在しつつもバランスさせているという、おもしろい状況ではあります。 とまあ、色々とトレンドは変わってきてはいますが、自分にはあんまり響きません(笑)。 ということで我が家ではあくまでもノズル角度と吐水量にこだわってINAX(LIXIL) CW-K45Aに絞り込みました。 ネックは、フルオート便座であることによる、実売4.5万円というその価格でしたが、選択肢がない以上やむを得ません(^^;
3階の暖房便座を温水洗浄便座に交換します。 既存の便器はINAXのピンク系なので、他社のピンクと微妙に合わないため、ここについてはカラーマッチングを重視かつピンクの設定があるラインナップ中で価格低めのCW-RT20を選びました。 店頭で選んだので選択肢は限られましたが、価格はジョイフルエーケーにてセール品で2.3万ほど。 袖なしの壁付けリモコンタイプですが、タンクを本体の根元の部分に収めた貯湯式です。CW-RT20はRT10に脱臭機能が付いたタイプで、この上には乾燥機能の付いたRT30があります。 2階に使うメインのCW-K45Aは、カラーが受注生産色のため発送まで時間が掛かっており、急遽店舗で直接買ってきたCW-RT20の方を先に施工します。 取り付け作業を開始します。元栓を閉めます。 まずは、水洗タンクへの給水パイプ(サプライ管)を外します。 両側が袋ナットなので、ウォータープライヤーやモンキーレンチなどで簡単に外せます。 パッキン装着済みの付属の分岐金具を取り付けます。 給水パイプ(サプライ管)を分岐金具の長さ分、ディスクグラインダーで切断します。 分岐金具への差し込み分も考慮してカットしないと、後で泣きます(笑) ヤスリでバリを取ります。 給水パイプ(サプライ管)を切断して再利用するため、いずれにしても長さが足りない付属の給水ホースは使いません。 ただ、パッキンは新しい物を使います。 既存の袋ナットを締めて、元栓部分は完了。 袋ナットの下は、割リング・スリップワッシャー・パッキン(共に付属)の順番で収まっています。 続いてタンク側。 付属の新しいストレーナーと差し替えて袋ナットで固定します。 ストレーナーの向きは凸型の方を上流に向けます。 タンクへのサプライ管の復元が完了。 本体給水ホースを分岐金具に繋げます。 付属のクリップで固定。 本体に繋ぎます。 ここもクリップで固定するだけ。楽チンです。 以前の暖房便座用の取付ボルトを外します。 外しました。 RT-20に付属の取付ボルトを便座に取り付けます。 プラスチック製の六角ナット等は外しておきます。 便座側のアジャスターへの位置を確認したらボルトを滑り込ませ、便器に差し込んで下から六角ナットを締め付けます。 本体の取り付け完了。 元栓を開けてパイプ類に漏れがないか確認します。 問題なし! 電源プラグを差し込みます。 電源が入りました。 リモコン操作部を壁に取り付けます。電池式なので配線不要です。 工事完了。おしりの洗浄機能も無事動作。 ただし、吐水量がK45Aの1/3程しかないため「おしりの中まで」は無理です。
このシャワートイレの貯湯タンクに亀裂が入ってしまったための交換なのですが、亀裂発覚から2年も使い続けていたことでもお分かりかと思いますが、滲み出す水の量がそんなに大量っていうほどじゃないため、このCW-1041は、留寿都村での新たな滞在先のアパートで使う事にしました。 水が漏れてきてもユニットバス内だし(^^; 元栓を閉めます。 分岐金具と給水ホースを外します。 ウェスが黄色いのはオシッコじゃないですよ!ウェス(古いTシャツ)が元々黄ばんでいたのです(笑) まあ、広い意味ではオシッコと同じ成分なんでしょうけどねww タンクへの給水ホースだけ戻します。 下側からナットを外して便座本体を外します。 CW-K45Aが届くまでは3階で使っていた暖房便座で凌ぎます。 取り外したCW-1041。 細部を清掃して留寿都のアパートに持ち込みます。 2017年10月30日。 平日滞在先の留寿都村のアパートにCW-1041を持ち込みました。 アパートはワンルームで、ご覧の通り良くあるタイプのTOTOのユニットバスです。 大家さんには、取付けに関して予め了解を得ています。 水栓ハンドルが付いてないので、ドライバーで元栓を閉めます。 サプライ管を外します。 これは退去時に現状復旧するので、保管しておきます。 分岐金具を取り付けます。 タンクへの給水ホースを繋ぎます。 CW-1041本体への給水ホースを繋ぎます。 元の便座をCW-1041に置き換えたら設置完了。 電源入りました。 CW-1041はエロンゲートタイプ(奥行きが長め)のため、賃貸アパートの一般的なユニットバスに使われているトイレの場合、便器の方がやや小さいです。 でも、便座裏側の突起面が便器上面から外れていなければ問題ないです。 なお、ユニットバス内にコンセントが無いので、浴室のドアの隙間を通しています。 ちょっと水勢が弱いのですが、使用に耐えるので良しとしました。 2020年4月から勤務地が共和町に変わったため、現在は共和町のアパートにてCW-1041を使用しています。 水勢は元に戻ったので良かったのですが、留寿都村のアパートの水道はかなり勢いがあったのに不思議です。 ちなみに共和町のアパートは(トイレは水洗ですが下水道未整備地域のためくみ取り式となる)簡易水洗方式のため、ロンシール機器という会社のLONCLEANという便器が使用されています。 (地方出張する人なんかは見たことがあるかも知れません。排水口に弁が付いていて、水洗レバーを捻って水を流すと弁が開いて排水されるという方式のものです) 留寿都のアパートの時と同様に、サプライ管を外してCW-1041付属の給水ホースに置き換えて使用しています。 簡易水洗方式でも問題なく温水洗浄便座は取付けできました。 ただ、温水洗浄便座を取り付けたことで水の使用量が増えるので、汲み取りの料金が増える可能性が大です。
2017年11月10日。 INAX CW-K45Aが届きました。 我が家の2階トイレの便器がサンドベージュっていう受注生産の色だったので、約1ヶ月かかりました。 それで予定が狂ってしまい「我が家に"温水洗浄便座空白日"が出来てしまうなんて許せない」と3階のトイレにCW-RT20を買ってきて先に取り付ける羽目になったわけです(笑) 元栓を閉めて給水ホースを外します。 誤解を招くので、黄ばんだTシャツは使わないことにしました(爆) 付属の分岐金具を取り付けます。 袋ナットでタンク側の給水ホースを分岐金具に繋いでクリップで固定します。 CW-K45A本体への給水ホースも繋ぎます。 暫定的に取り付けていた暖房便座を撤去。 ちなみに黄ばんだTシャツの代わりに使ったウェスはグレーの靴下です(笑) 本体を取り付けます。 CW-K45Aのノズル部は、CW-1041と同じでむき出しになっています。 基本設計が20年前の袖付き貯湯式と殆ど変わってないのは、アイシン精機への製造委託だから? ただ、清掃メンテナンス性が悪いのは、圧倒的な吐水量の魅力の前に目をつぶるしかありません。 スライドプレートをステンレス製の上面ボルトで固定します。 便座を前面からスライドさせながら差し込みます。 給水ホースを繋ぎ、コンセントに電源プラグを差し込みます。 本体の設置は完了。 何気にこのLED照明は便のチェックがしやすいので◎。 ノズルからの吐水状況を確認。ターボ洗浄モード、さすがの勢いだ。 最後に便座開閉用リモコンを取り付け。 設置完了。 操作部の拡大。 蓋・便座の開閉はフルオート。 通常は便蓋だけが開き、便座開閉用リモコンを使うと便座も一緒に持ち上がる。 閉じる時は一緒。 快適なトイレライフを送っています(笑) 追記:2021年5月、2Fトイレをリメイク。 自動洗浄化キット「流せるもん」の追加、トイレキャビネットの設置、壁の塗り替え等。
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