640diary... Update:2018.06.14


電動工具の実消費電力と作動音量の一覧

20180614日。
これまで、作業場で1000W超えの消費電力の電動工具と1000Wの掃除機を動力源としているサイクロン集塵装置を同時に使用しても、20Aのサブブレーカーが落ちないことを不思議に感じていたのですが、ある日、時々僕が居ないタイミングを見計らって作業場を使いに来る義妹が、集塵装置(1000W)+自動カンナ(1350W)を使用中、サブブレーカーが落ちたという。


聞けば、カーボンヒーターを[強](900W)で点けていたという。
1000+1350+900=3250W=33A....さすがに落ちるだろう(笑)


いやしかし、20Aのサブブレーカーが、集塵装置と自動カンナを使った時点で落ちる方が腑に落ちる。

150%以上オーバーしないと落ちないって言うのはなぜだろう....

という事で、電動工具の実際の消費電力を計測してみることにしました。


その結果、

・電動工具の場合、表記されている消費電力は最大消費電力である(と思われる)

・逆にドライヤーやヒーター、掃除機といった家電品はほぼ表記通りの消費電力であることが多い

ということが分かりました。

我が家にある電動工具の消費電力表示は、計測した消費電力の1.2〜5.0倍の数値が表記されていることから、恐らく電源投入時の突入電流を考慮した「最大消費電力」なのではないかと僕は思っています。
(しかし電動工具の殆どは「最大」と表記されていない...)
突入電流はほんの一瞬なので、集塵装置と電動工具の合計値が2,000Wを超えるような使い方をしても、20Aのサブブレーカーが落ちなかったということなのでしょう、多分....。

追記:
電動工具の定格消費電力は、力率85%の時の消費電力と決まっているそうです。
つまり、モーターの回転が15%遅くなるくらいの負荷が掛かった際の消費電力がラベルに表示されているそうです。

実質、定格=最大だとすると、突入電流が最大と考えた僕の想像は間違っていることになります。
実際はどうなのか分かりませんが、少なくともラベルに記載されている消費電力は突入電流を反映したものではないようです。お詫びして訂正させていただきます

ただ、負荷が掛かった状態で消費電力を計測する事は有益じゃないとは言いませんが、各工具と刃やビットの性能、そして加工する材料次第で容易に値が変わってしまうので、このページでは無負荷運転時の計測値を引き続き掲載します

負荷が掛かった際に消費電力が大きくなるのは想像に難くありませんが、例えば木材切断時に節の部分で負荷が増大した時が最大消費電力に近い状態、ということでしょうね。


下の表が実消費電力の高い順に並べたものです。
実測消費電力ランキング 消費電力(W) 作動音 回転数
表記
実測
(dB) (rpm)
1 サイクロン集塵装置
(動力源 NATIONAL MC-K7JH)
1000 1000 75 -
2 エアーコンプレッサー
(ヨロスト 39L)
1500 980 92 -
3 手押しカンナ
RYOBI HL-6A
1200 580 100 16000
4 バンドソー
RYOBI BS-51N
1450 430 90 (600)
5 自動カンナ
RYOBI AP-10N
1350 400 97 8000
6 角のみ
HITACHI BS30Y
1140 380 90 1700
7 スライドソー
HITACHI C8FSH
1050 300 87 3800
8 ランダムオービットサンダー
RYOBI RSE-1250
300 250 97 12000
9 ディスクグラインダー
MEISTER KOBO MDG-100MS
550 230 90 10000
9 電子丸のこ
HITACHI C6MVY
1150 230 88 4100
11 ジグソー
MAKITA M438
450 210 94 3100
12 トリマー
BOSCH PMR500
500 200 93 30000
13 ベルトディスクサンダー
RYOBI BDS-1010
400 190 80 2800
14 トリマーテーブル
NAKATOMI TR-601
360 180 95 28000
15 電気ヤスリ
RYOBI BY-1030
180 110 87 6700
15 木工旋盤
協和機工 MC1218VD
550 110 77 2800
17 ボール盤
SK11 SDP-300V
270 100 68 600
18 ベンチグラインダー
EARTHMAN GHB-150
150 60 77 2850
カーボンヒーター 900 790 - -
注1:加工時ではなく空運転時での値です
注2:強弱調節付きの場合は最大での使用時です



これで合点がいきました。
集塵装置+自動カンナでは1000+400=1400W=14Aですので許容範囲内です。
しかし、これにカーボンヒーターを[強]で使用すると、1400+790=2190W≒22Aなので、連続使用すると20Aのサブブレーカーが落ちます←義妹が陥った状況

通常は集塵装置+電動工具で落ちることはありません。

しかし、この状態でもしもコンプレッサーのスイッチを切り忘れていたりして、不意に充填が始まったりすると、一撃でサブブレーカーは落ちるので注意が必要ですね。


義妹が実証したように、冬期間にカーボンヒーターで暖を取る場合は[弱]で使用するといった対応が必要です。(表にはないですが[弱]では420W


下の表は、上記にも述べた表記と実測値の消費電力の差が小さい順番に並べたものです。

最大消費電力と定格消費電力の差が小さいほど上位に来ます。
表記と実測の差が
小さいものランキング
消費電力(W) 比率 回転数
表記
実測
表記/実測 (rpm)
1 サイクロン集塵装置
(動力源 NATIONAL MC-K7JH)
1000 1000 1.00 -
2 ランダムオービットサンダー
RYOBI RSE-1250
300 250 1.20 12000
3 エアーコンプレッサー
(ヨロスト 39L)
1500 980 1.53 -
4 電気ヤスリ
RYOBI BY-1030
180 110 1.64 6700
5 トリマーテーブル
NAKATOMI TR-601
360 180 2.00 28000
6 手押しカンナ
RYOBI HL-6A
1200 580 2.07 16000
7 ベルトディスクサンダー
RYOBI BDS-1010
400 190 2.11 2800
8 ジグソー
MAKITA M438
450 210 2.14 3100
9 ディスクグラインダー
MEISTER KOBO MDG-100MS
550 230 2.39 10000
10 トリマー
BOSCH PMR500
500 200 2.50 30000
10 ベンチグラインダー
EARTHMAN GHB-150
150 60 2.50 2850
12 ボール盤
SK11 SDP-300V
270 100 2.70 600
13 角のみ
HITACHI BS30Y
1140 380 3.00 1700
14 バンドソー
RYOBI BS-51N
1450 430 3.37 (600)
15 自動カンナ
RYOBI AP-10N
1350 400 3.38 8000
16 スライドソー
HITACHI C8FSH
1050 300 3.50 3800
17 電子丸のこ
HITACHI C6MVY
1150 230 5.00 4100
17 木工旋盤
協和機工 MC1218VD
550 110 5.00 2800
カーボンヒーター 900 790 1.14 -

最大消費電力/実測消費電力の比率で表される両者の差は、家電品は1.0に近い傾向にあり、電動工具はこれよりも大きくなる傾向がありますが、特筆すべきは5.00だった日立工機の電子丸のこでしょうか。

カタログ上の仕様は1150Wなのですが、実測値は230W。しかも静音。

電気丸のこがベースの同じく日立工機のスライドソーも似た傾向があるので、電子制御であることがこの点についてはメリットとはなっていないでしょうけど、意外に電気食わないみたいです。(訂正:スライドソーのC8FSHも電子制御でしたm(_"_)m)




次の表は作動時の音量測定の結果を音量の大きい順に並べたものです。

計測はデジタルマルチメーターを使い、計測位置は材料加工部(切削部)から水平におよそ30cm離した位置としました。


作動音量ランキング 消費電力(W) 作動音 回転数
表記
実測
(dB) (rpm)
1 手押しカンナ
RYOBI HL-6A
1200 580 100 16000
2 自動カンナ
RYOBI AP-10N
1350 400 97 8000
2 ランダムオービットサンダー
RYOBI RSE-1250
300 250 97 12000
4 トリマーテーブル
NAKATOMI TR-601
360 180 95 28000
5 ジグソー
MAKITA M438
450 210 94 3100
6 トリマー
BOSCH PMR500
500 200 93 30000
7 エアーコンプレッサー
(ヨロスト 39L)
1500 980 92 -
8 バンドソー
RYOBI BS-51N
1450 430 90 (600)
8 角のみ
HITACHI BS30Y
1140 380 90 1700
8 ディスクグラインダー
MEISTER KOBO MDG-100MS
550 230 90 10000
11 電子丸のこ
HITACHI C6MVY
1150 230 88 4100
12 スライドソー
HITACHI C8FSH
1050 300 87 3800
12 電気ヤスリ
RYOBI BY-1030
180 110 87 6700
14 ベルトディスクサンダー
RYOBI BDS-1010
400 190 80 2800
15 木工旋盤
協和機工 MC1218VD
550 110 77 2800
15 ベンチグラインダー
EARTHMAN GHB-150
150 60 77 2850
17 サイクロン集塵装置
(動力源 NATIONAL MC-K7JH)
1000 1000 75 -
18 ボール盤
SK11 SDP-300V
270 100 68 600
カーボンヒーター 900 790 - -

予想通り1位は手押しカンナでした。
これはホントに連続使用が嫌になるくらいうるさいです。


自動カンナトリマーテーブルも順当に上位を占めています(笑)

そういえばうるさいな、と気づかされたのが、ランダムオービットサンダー
これはダイヤルを最大の6に合わせたときの数値ですが、自動カンナと同じ97dBだったとは....

そして、かなり意外だったのが94dBで単独5位のジグソー
低速ではかなり静かなのですが、これもダイヤルを最大に合わせるとトリマーとほぼ同等、エアーコンプレッサーの運転音の上を行く音量という結果になりました。
ただし、3万回転前後で不快な高音をまき散らすトリマーとは音質は異なります。

また、気になっていたバンドソー90dBと、角のみディスクグラインダーと並び8位タイ。

誘導モーター(インダクションモーター)を使用した木工旋盤やボール盤、ベンチグラインダーは予想通り静かですが、サイクロン集塵装置の動力源に使っている掃除機がこれらと同等レベルの75dBというのが解せない....結構うるさいのになぁ。

この掃除機、取説の仕様では59dBでさらに低いですが、計測方法が違うので、いずれにしてもこの値はあてになりません。

結果的に、やはりモーターの回転数が大きくて高音が耳障りなものはうるさいです。
集塵装置の掃除機も、その類いの音なので、数値以上にうるさく感じるのだと思います。




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