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■ 6.35mm六角軸ドリルチャックを装着できるか? 意気込んで入手したBS30Yですが、使うときは集中的に使うと思いますが、スライド丸のこやトリマーテーブル、自動カンナなどよりも明らかに頻度が少ない部類の工具です。 そこで実施したのが、角のみとして使わないときに簡易フライス盤的な利用ができないかという試み。(勿論この場合は、X,Y、2軸移動できる穴開け装置という意味合いですよ) 我が家にはフライス盤が無く、複数の穴を縦横にキッチリ整列させて開けるようなケースでは、ボール盤ではなかなか上手くできません。 常々後付けのクロステーブルをボール盤に装着してみたいとは思っていたんですが、手軽に穴開けできるボール盤の役割は犠牲にしたくなかったので躊躇していたところに今回の角のみGET。 せっかく2軸移動方式の角のみを入手したのだから、これを上手く利用できないか?というわけです。 左右方向は微動ハンドルが付いていますが、前後方向はレバー式なので、細かい微動には向きません。 ただ、BS30Yは自動昇降式。上下動レバーの操作だけでドリルの刃先を寸止めできるという利点があるため、より位置合わせがし易いはず。 しかも、我が家のボール盤SDP-300Vは誘導モーターなので、動作が安定していて音も静かなのですが、如何せん270Wではトルク不足で、穴開け中に止まってしまうことがしばしばあります。 その点、ブラシモーターとはいえ1,140WのハイパワーであるBS30Yは、簡単に止まったりはしません。音はうるさいけど。(笑) さて、六角軸のドリルチャックをφ12mmの本体の把握部に装着するには、アダプタのようなものが必要です。 当然、日立工機からそのような物は提供されていません。 そもそも角のみをドリルで使おうなんてヤツに味方してくれるはずもない(笑) そこで考えた図面がこちら。(クリックでpdfを表示) 図面を元に3Dイメージを作製してみました。(truespace7.61) まずは、ホームセンターでφ12mmの鋼材を探しましたが....無い! 鉄筋(異形棒鋼ではなく丸鋼ね)はφ9mmの上はφ13mmしかなく、取りあえずM12の棒ネジを買ってきたのですが、やはりなんか違う....これじゃない。 で、一時抹消している117クーペが現役の時からお世話になっているウチのクルマの主治医に相談(金工旋盤持っていて金属加工もやってるので)。 が、基本一人でやってる人なので忙しいらしく、「時間があるときであればできるけどワンオフはやっぱり割高になるよ」との返事。 そうこうしている内にちょっとひらめいて試してみたのが以下。 要は、ジャストサイズの丸鋼がないなら近いサイズの高ナットならどうだ? ということです。 使用したのはM6-30mmの高ナット。これより長いものがホームセンターになかった。(^^; M6の最大外径(対角線間距離)は、ネット上でも12mmとか11.5mmとかいろいろな表記があって紛らわしいのですが、僕がホーマックで買ってきた物は11.2mm。つまり、外接円φ11.2mmなので、φ12mmの穴に入れると0.8mmの隙間がある。 でも、取りあえず以下のような物を作って6.35mm六角ビットのドリルをBS30Yに装着してみた。 ボール盤で7.5mmの穴を開ける(正確には穴を拡げる)。 M6のネジが切ってあるので、ボール盤でも何とか中心に開けられる。 次に横穴。 これは11mmの鉄工ドリルビットで片側を貫通させる。 ヤスリでバリを取って完成。 ドリルチャックにはめてみる。 多少のガタつきはあるけれど、まあ、許せる範囲かな? 7.0mmのドリルでも良かったかも知れない。 ただ、外径の差、-0.8mmは気になる所..... 早速、テストで六角軸のドリルビットをBS30Yに装着してスイッチオン! 悪い予感は的中し、回転するビットがブレブレ....(^^; ビニールテープを巻いて厚みを増してみたりしたのですが、上部にだけ巻いても下部の横穴部分は巻けないため、固定時に返って斜めに装着されてしまい、逆にブレブレが増大。(ToT) 全体に厚みを増す処置が施せれば使えなくはないと思われますが、基本的に.... 「M6高ナット(長ナット)はアダプタとしては使えない」 ただ、この方法でアダプタと錐の軸の両方を固定することができる、という事が確認できたのは収穫でした....って結局キリ補助具の構造と同じことやってるって今頃気がつきました(^^; ■ ドリルチャック用アダプタの製作 上記で試してみたM6高ナットは、残念ながら実用的ではなかったので、アダプタはやはりワンオフで多少高くなってもどこかに製作依頼するのが近道と考えました。 そこでネット上を徘徊していて辿り着いたのが、ミスミが運営する「Cナビ」というサイト。 ここは、割と良心的な価格で金属加工品を1個からでも提供してくれるサイトです。 寸法を入力していくだけで、その場でCAD図面のpdfを表示し、価格も出てきます。 但し、利用するには必ず法人で会員登録(無料)が必要です。 僕は機械業界ではないけど一応、社員のいない社長(爆)なので、この点に支障はなかったのですが、会社として登録ができない方は利用のハードルは高いかも知れません。 ただ、詳しくは分かりませんが、法人そのものを審査などは特にしていないみたいなんですけどね。 (※自分の会社は残っていますが、僕は現在サラリーマンです。)
この端材にドリルチャックを装着してチャックにロッドを挟もうという考えです。この穴はそのドリルチャックをセットするために開けている穴です。 今度はご覧の構成。 初めは「ドリル側から迎えに来て位置決めしてくれる」くらいの軽いホールドで何ミリか掘っていき、それから一気に。 横穴は軸の滑り防止用に六角ビットの1辺を固定するネジと、脱落防止用にビットのネック部分を固定するネジの2つ。 装着してテスト。 ブレがゼロ...とは言いませんが、僕的には全然許容できるレベル。 ああ、神様!ありがとう!1,600円が無駄にならずに済みました!(^^; このドリルチャックの形状であれば、あと15mm程度ロッドの長さを縮められそう。 「BS30Yにドリルチャックを装着して簡易フライス盤的に利用することは、外注で外径12mm、内径7mmのロッドを製作して貰えば比較的安価な予算で可能、但し、横穴、ネジ切りなど、自分で行える加工は極力自分で行うことが前提」 ※自分でできる手数を外注に委ねれば、その分製作費がアップするって事です(^^;
6月10日。 初めの内はさほど気にならなかった回転のブレが、段々気になり始め、少し改善できないかと考えていて、ベアリングを使用してみることにしました。 ミスミのサイトから、ツバ付とツバ無しの2種類を注文。 ツバ付は340円でインドネシア製(メーカーは日本のNSK)、ツバ無しは200円の日本製。 写真ではわかりにくいですが、側面の滑らかさ=光沢が全然違います。 もちろん、ピカピカなのは日本製の方。 実用上問題になる箇所ではないんですけどね(^^; 取りあえず、使う箇所はツバが必要なさそうなので、日本製の方を使うことにしました。 外径は28mm。ノミのシャンク挿し込み部分の内径は28.5mmなので少し余裕がありますが、外側にビニールテープを巻いて対処することにしました。 内径は実測11.8mm。ノギスの精度を加味しても少しだけ小さめかも知れない。 案の定、ドリルチャック用のロッドが入っていかないので、少し削ることにしました。 ボール盤に取り付けてマイクロベルトサンダーで削ります。 無事挿し込みできました。 外周にビニールテープを巻いて取り付け完了。 テストしてみます。 若干安定度は増しましたが、ブレが解消するほどではありませんでした。 これは恐らく、ビット挿入部の軸の角度が曲がっていると思われます。 ミスミで開口してもらったM6のネジ切り穴は正確なんでしょうが、これを拡げた僕の作業が思っていた以上に正確じゃなかったのだと思います、多分。 取りあえず、これはこのまま辛抱することにしました。(^^; 我慢できなくなったら、再度ロッドを注文して作り直します。(笑)
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